マラカイトグリーンを用いる尿中のタリウムの比色定量
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概要
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最近,タリウム化合物が殺そ剤などに使用されて以来,タリウム中毒患者の発生がしばしばみられるようになり,その治療上尿中のタリウムの微量定量法がすこぶる重要となった.著者は,マラカイトグリーンをタリウムの比色試薬とする定量法を検討し,従来のヨウ素法およびメチルバイオレット法などに比べて再現性,感度の点ですぐれていることがわかった.尿を一定量とり,同量の濃硝酸を加えて蒸発乾固したのち,臭素水でタリウムを酸化後イソプロピルエーテルで0.5〜1.0<I>N</I>臭化水素酸溶液から抽出分離する.エーテル相を分離蒸発後,残留物を1.5<I>N</I>塩酸10m<I>l</I>に溶かして分液口ートに移し,これに0.2%マラカイトグリーン溶液を1m<I>l</I>加え,さらにベンゼンを10m<I>l</I>正確に加えて激しく振とうする.ベンゼン相を10mmセルにとり,635mμの波長で吸光度を測定してタリウムを定量する. 実際にタリウム中毒患者の尿について本法による定量法を応用したところ良好であった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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