マラカイトグリーンによるカドミウム地金中の微量タリウムの比色定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
硫酸酸性溶液中でタリウム(III)をマラカイトグリーンにより発色させ,ベンゼンに抽出して吸光光度定量を行なうための各種条件,共存イオンの影響,およびタリウムの抽出分離について検討した.<BR>硫酸濃度は0.5〜1.5<I>M</I>の間では吸光度変化がわずかであり,呈色時の硫酸濃度は1<I>M</I>とした.その他試薬濃度,呈色の安定度,温度,水相容量,振とう時間,抽出回数などにっいて実験し,最適条件を求めた.V<SUP>5+</SUP>,S<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB><SUP>2-</SUP>,C<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>が共存する場合は大きな負誤差を与え,Mn<SUP>2+</SUP>,W<SUP>5+</SUP>はわずかながら負の誤差を与える.またタリウム5μgに対し,カドミウムは100mg共存しても影響しないことがわかった.<BR>母体カドミウムとタリウムの分離は,臭化水素酸溶液からエチルエーテルにタリウムを抽出分離した.この際,エーテル相に移行するカドミウムは20〜26mg程度でタリウムの定量を妨害しない.<BR>以上の実験結果からカドミウム地金中の微量タリウムの定量法を立案し,これにより変位係数(%)は3〜6, 添加タリウムの回収率は96%以上の値を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- 10-(2-ベンゾチアゾリルアゾ)-9-フェナントロールと非イオン性界面活性剤を用いる亜鉛(II)の吸光光度定量
- 界面活性剤を用いる2-(2-ベンゾオキサゾリルアゾ)-1-ナフトール指示薬による亜鉛のEDTA滴定
- 10-(2-ベンゾチアゾリルアゾ)-9-フェナントロールと非イオン性界面活性剤を用いるコバルトの吸光光度定量法
- 1-(2-ベンゾチアゾリルアゾ)-9-フェナント-ルによる亜鉛の吸光光度定量法
- 界面活性剤共存下における1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール又はその銅キレートを用いる銅及びニッケルのEDTA滴定
- 1-(2-ベンゾチアゾリルアゾ)-9-フェナントールと界面活性剤を用いるニッケルの吸光光度定量
- 9-(2-ピリジルアゾ)-10-フェナント-ル(PAP)の分析化学への応用--PAPによるカドミウムの分光光度定量法の研究-1-
- 界面活性剤を可溶化剤とする1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール指示薬による亜鉛のEDTA滴定
- マラカイトグリーンによるカドミウム地金中の微量タリウムの比色定量
- く形波ポーラログラフ法によるカドミウム地金中の微量タリウムの定量
- く形波ポーラログラフ法によるカドミウム地金中の微量タリウムの定量
- マラカイトグリーンによるカドミウム地金中の微量タリウムの比色定量