電位差滴定法およびガスクロマトグラフ法によるベンゾトリアゾールおよびメチルベンゾトリアゾールの簡易迅速分析法 : 有機窒素化合物の分析法(第15報)
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概要
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ベンゾトリアゾール(BT)およびメチルベンゾトリアゾール (MBT)の簡易迅速な日常分析法を確立するため,電位差滴定法とガスクロマトグラフ法についてその諸条件を検討した.電位差滴定においては,溶媒として1.5%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いれば,硝酸銀溶液による滴定は1:1のモル比で明りょうな終点を示し,2〜30mg程度のBTおよびMBTを97〜104%の回収率で定量できる.そして塩化物が共存するときは過剰のEDTAを加えておくことによってその妨害を除去することができる.また有機溶媒と水の2相間における分配率の差からBTとMBTの混合物を分析することもできる.<BR>ガスクロマトグラフ法では,ガラスカラムに担体クロモソーブWの1.5%のネオペンチルグライコールセパケートを塗付したものを充てんし,温度180℃,キャリヤーガス窒素,流速30m<I>l</I>/分,検出器FID,の条件でBT,4-MBTおよび5-MBTが分離でき,およそ10〜50μgのそれぞれを1%以内の誤差で定量可能である.<BR>以上の方法で防せい紙,防せい液および自動車用不凍液などの各種市販品中のBTとMBTを分析し,きわめて良好な結果を得た.<BR>この方法は重量法やポーラログラフ法より簡単でしかも迅速である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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