炭素および各態窒素の同時定量法 : 有機窒素化合物の分析法(第17報)
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概要
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次に示す式(1)〜(4)の反応を利用し,生成した二酸化炭素と窒素ガスを熱伝導度形検出器で測定する炭素および各態窒素の同時定量法を考え,簡単な装置を試作した.<BR>C<SUB><I>l</I></SUB>H<SUB><I>m</I></SUB>O<SUB><I>n</I></SUB>N<SUB><I>d</I></SUB>=<I>a</I>+<I>b</I>+<I>c</I>→<I>l</I>・CO<SUB>2</SUB>+1/2(<I>m</I>-3<I>a</I>-<I>b</I>)・H<SUB>2</SUB>O+<I>a</I>・NH<SUB>3</SUB>+<I>b</I>・HNO<SUB>3</SUB>+<I>c</I>/2・N<SUB>2</SUB>……(1)<BR>2・CrO<SUB>3</SUB>+3・H<SUB>2</SUB>SO<SUB>4</SUB>→Cr<SUB>2</SUB>(SO<SUB>4</SUB>)<SUB>3</SUB>+3・H<SUB>2</SUB>O+3・O……(2)<BR>NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>+9・H→NH<SUB>3</SUB>+3・H<SUB>2</SUB>O……(3)<BR>2・NH<SUB>3</SUB>+3・NaoBr→3・NaBrt3・H<SUB>2</SUB>O+N<SUB>2</SUB>……(4)<BR>ここで,式(1)中のC,H,OおよびNはそれぞれの元素を,また<I>l</I>,<I>m</I>,<I>n</I>および<I>d</I>はそれぞれの元素の数を表わす.そして<I>a</I>,<I>b</I>およびcはそれぞれ第1〜第3グループに属する窒素の数を表わす.すなわち,試料を無水クロム酸と硫酸の混合物で分解し,第2グループの窒素官能基から発生する硝酸を吸収管に吸収し,さらに二酸化炭素を別の吸収管で捕そくし,残った窒素ガス(第3グループから生成)をまず検出器で測定する.次に吸収した二酸化炭素を遊離させてこれを同様に測定し,硝酸をアンモニアに還元してから窒素ガスに変換し,これを同じようにして測定する.そして酸化分解反応管中に捕そくされている第1グループの窒素官能基から生成したアンモニアを同様にして窒素ガスに変えて測定する.この方法によって各種の有機窒素化合物を分析し,きわめて良好な結果を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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