フルオレセインクロライド-塩化亜鉛-アミン系の加熱溶融反応と薄層クロマトグラフィーによる脂肪族窒素化合物の超微量分析 : 有機窒素化合物の分析法(第16報)
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概要
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脂肪族窒素化合物の極微量を分析するため,フルオレセイングロライド-塩化亜鉛-アミン系の加熱溶融反応と薄層クロマトグラフィーの併用による分離定量法について検討し,次のような好適条件を明らかにした.<BR>試料1〜10μg(窒素として0.1μg以下)を含むメタノールまたはクロロホルム溶液10μ<I>l</I>をミクロ試験管に採取し,1.5%フルオレセインクロライドのクロロホルム溶液40μ<I>l</I>と3.0%塩化亜鉛のメタノール溶液20μ<I>l</I>を加え,よく振り混ぜてから加熱してその溶媒を蒸発させて乾固する.これをさらに260℃で5分間加熱溶融して反応させ,冷却後1.5%塩酸のメタノール溶液50μ<I>l</I>で溶解し,80℃で数分間加温する.室温に放冷後,その1〜20μ<I>l</I>をシリカゲル薄層板上に添着し,<I>n</I>-ブタノール:クロロホルム:酢酸:水(10:1.5:1.5:1.5)の溶媒で常法によって展開する.<BR>試料中にアンモニウム塩または脂肪族アミン類があれば,先端の過剰試薬のスポットの下に黄とう色のスポットが見られる.風乾後,その薄層のデンシトグラムを二波長分光測光法で測定し,スポットの<I>R<SUB>f</SUB></I>値と面積を求める.<BR>この方法による<I>Rf</I>値は,脂肪族アミンの炭素数が6まではその増加にともなって増大するから試料中のアミンが同定できる.またデンシトグラムの面積と試料量の関係,すなわち検量線は良好な直線性を示し,その比例定数は試料の種類で多少異なり,およそ2〜3×10<SUP>4</SUP>mm<SUP>2</SUP>/μgである.そして本法は窒素として0.1μg以下の試料が定量でき,また前処理によってアンモニアまたはアミン類に変換できる脂肪族ニトリル,酸アミド,ニトロおよびヒドラジン類にも応用できる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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