紫外吸収スペクトル法によるフェノール樹脂の分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
各種のモル比のレゾール型フェノール樹脂について,紫外吸収スペクトルによる反応の追跡を行なった.溶媒としては,0.25<I>M</I>と0.025<I>M</I>の2種の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いた.その結果,次の知見を得た.<BR>(1) ベンゼン環の260nm吸収帯の吸収極大の位置(λ<SUB>max</SUB>)は,反応が進むほど,また反応モル比(F/P)が高いほど長波長側に移動する.<BR>(2) 見かけのモル吸光係数(ε<SUB>max</SUB>)は溶媒の水酸化ナトリウムの濃度が0.25<I>M</I>のときは,反応が進むほど,反応モル比が高いほど大きくなる.しかし,0.025<I>M</I>のときは,反応時間に対して極大値を持つ曲線となり,反応が進むと逆に減少する傾向がみられた.これは反応の進行による立体障害のためと考えられた.<BR>(3) 反応モル比の定量は,λ<SUB>max</SUB>とε<SUB>max</SUB>(水酸化ナトリウム,0.25<I>M</I>)の関係図,またはε<SUB>max</SUB>(水酸化ナトリウム,0.25<I>M</I>)とΔε<SUB>max</SUB>{ε<SUB>max</SUB>(水酸化ナトリウム,0.25<I>M</I>)-ε<SUB>max</SUB>(水酸化ナトリウム,0.25<I>M</I>)}の関係図のどちらを用いても可能と考えられたが,触媒の異なる既知試料について応用した結果,後者の関係図より求めた値がよい一致を示した.この後者のプロットからは反応モル比のみならず,縮合の度合も判定することができた.<BR>(4) Δε<SUB>max</SUB>の対数と反応時間の間には直線関係が成立し,縮合反応の追跡が可能であることが明らかとなった.
著者
関連論文
- 負イオン化学イオン化質量分析法におけるインドール系化合物の有効な誘導体化法
- 負イオンマススペクトルの相対感度といくらかの生物活性物質の分子イオン開裂特性に関する分子軌道法的研究
- 窒素酸化物のフェノールジスルホン酸吸光光度定量における負誤差の質量分析的検討
- タウンゼント放電-化学イオン化質量分析法による空気の微量有機成分の直接検出
- ゴルフ場使用農薬の質量スペクトル
- 有機極微量成分分析のための化学イオン化質量分析法の測定条件の検討
- 化学イオン化質量分析法による炭化水素のタイプ分析
- 分析用迅速帯融装置の試作
- 紫外吸収スペクトル法によるフェノール樹脂の分析
- 負イオン化学イオン化を用いるガスクロマトグラフ質量分析法によるベンゾ[α]ピレンの迅速定量
- 化学イオン化質量分析法によるポリ塩化ビフェニルの定量
- 化学イオン化質量分析法によるアルキルベンゼン類の選択的検出と同定
- 含窒素複素芳香族化合物の化学イオン化マススペクトル
- 化学イオン化マススペクトロメトリーによるC10H14 アルキルベンゼン異性体の分類と判別・同定
- C11H16〜C25H44アルキルベンゼンの化学イオン化マススペクトル
- 溶媒–メタン混合系試薬ガスを用いる化学イオン化質量分析法の基礎的検討
- 化学イオン化質量分析法によるC8H10,C9H12アルキルベンゼン異性体の判別と同定
- 8-アセトオキシンによるニオブ,タンタルの均質沈殿
- GC/NCIMS法による尿および血漿中のフェニルピルビン酸の定量
- 負イオン化学イオン化質量分析法における低質量域校正用標準物質の検討
- 赤外吸収スペクトルによるレゾール型フェノール樹脂のフェノールとホルムアルデヒドのモル比の定量
- 科学イオン化GC/MSによるPCBの分析
- 赤外吸収スペクトル法による尿素-メラミン樹脂中のメラミン量の定量
- 赤外吸収スペクトル法によるレゾルシン-ホルムアルデヒド樹脂の分析
- 熱分解ガスクロマトグラフ法によるフェノール樹脂の分析
- ガスクロマトグラフィーにおいて各種ポリエチレングリコールを液相とした場合のホルムアルデヒドの挙動
- 内標準法による極微量吸光光度分析
- 溶液試料直接導入法による無修飾有機化合物の化学イオン化質量スペクトル
- ガスクロマトグラフィー-化学イオン化質量分析法によるトルエン中の微量不純物の定量
- 4. ガスクロマトグラフによる苛性アルカリ下のホルマリンの挙動に関する考察
- 化学イオン化質量分析法によるコンデンセート油中の炭化水素のタイプ分析
- 小型高周波加熱装置を用いるフレームレス原子吸光分析
- 帯融精製法の分析化学への応用
- 陰イオン交換液を用いるコバルトの迅速吸光光度定量
- セレン化ヒ素高屈折率媒質による水溶液赤外全反射吸収スペクトル法
- ガスクロマトグラフィ--化学イオン化質量分析法によるベンゼン中の微量不純物の定量
- 25."High ortho novolakとHexamethylene tetramineの硬化反応について"