熱分解ガスクロマトグラフ法によるフェノール樹脂の分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
熱分解ガスクロマトグラフ法によるレゾール型フェノール樹脂の反応モル比の定量について検討を行なった.<BR>試料は水酸化ナトリウムを触媒とし,反応モル比1.0,1.5,2.0,2.5で調製した.熱分解は加熱炉を使用して700,750,800,850℃で行なった.熱分解生成物中の<I>o</I>-クレゾール,<I>p</I>-クレゾールとフェノールの比率に着目し,モル比,熱分解温度との関係について検討した.その結果,次のような知見を得た.<BR>(1) 未硬化樹脂と硬化樹脂の熱分解生成物の組成には,有意差は認められなかった.試料の取り扱い,空気追出し後のベースラインの安定性などから,硬化樹脂を熱分解試料とすることが有利であった.<BR>(2) 熱分解温度については,850℃ではクレゾール分が少なくなり,定量性がよくなかったが,700〜800℃においては,反応モル比の標準偏差として,0.1〜0.2で定量が可能であった.<BR>(3) 既知の一般市販品について,この方法で反応モル比の定量を試みたところ,アルカリ土類金属の水酸化物を触媒として用いた試料においては,既知の値より高い値が得られ,ここで求めた検量線は使用できなかった.このことは欠点でもあるが,赤外吸収スペクトル法,紫外吸収スペクトル法と併用すれば,触媒の差を検出できることを認めた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- 負イオン化学イオン化質量分析法におけるインドール系化合物の有効な誘導体化法
- 負イオンマススペクトルの相対感度といくらかの生物活性物質の分子イオン開裂特性に関する分子軌道法的研究
- 窒素酸化物のフェノールジスルホン酸吸光光度定量における負誤差の質量分析的検討
- タウンゼント放電-化学イオン化質量分析法による空気の微量有機成分の直接検出
- ゴルフ場使用農薬の質量スペクトル
- 有機極微量成分分析のための化学イオン化質量分析法の測定条件の検討
- 化学イオン化質量分析法による炭化水素のタイプ分析
- 分析用迅速帯融装置の試作
- 紫外吸収スペクトル法によるフェノール樹脂の分析
- 負イオン化学イオン化を用いるガスクロマトグラフ質量分析法によるベンゾ[α]ピレンの迅速定量
- 化学イオン化質量分析法によるポリ塩化ビフェニルの定量
- 化学イオン化質量分析法によるアルキルベンゼン類の選択的検出と同定
- 含窒素複素芳香族化合物の化学イオン化マススペクトル
- 化学イオン化マススペクトロメトリーによるC10H14 アルキルベンゼン異性体の分類と判別・同定
- C11H16〜C25H44アルキルベンゼンの化学イオン化マススペクトル
- 溶媒–メタン混合系試薬ガスを用いる化学イオン化質量分析法の基礎的検討
- 化学イオン化質量分析法によるC8H10,C9H12アルキルベンゼン異性体の判別と同定
- 8-アセトオキシンによるニオブ,タンタルの均質沈殿
- GC/NCIMS法による尿および血漿中のフェニルピルビン酸の定量
- 負イオン化学イオン化質量分析法における低質量域校正用標準物質の検討
- 赤外吸収スペクトルによるレゾール型フェノール樹脂のフェノールとホルムアルデヒドのモル比の定量
- 科学イオン化GC/MSによるPCBの分析
- 赤外吸収スペクトル法による尿素-メラミン樹脂中のメラミン量の定量
- 赤外吸収スペクトル法によるレゾルシン-ホルムアルデヒド樹脂の分析
- 熱分解ガスクロマトグラフ法によるフェノール樹脂の分析
- ガスクロマトグラフィーにおいて各種ポリエチレングリコールを液相とした場合のホルムアルデヒドの挙動
- 内標準法による極微量吸光光度分析
- 溶液試料直接導入法による無修飾有機化合物の化学イオン化質量スペクトル
- ガスクロマトグラフィー-化学イオン化質量分析法によるトルエン中の微量不純物の定量
- 4. ガスクロマトグラフによる苛性アルカリ下のホルマリンの挙動に関する考察
- 化学イオン化質量分析法によるコンデンセート油中の炭化水素のタイプ分析
- 小型高周波加熱装置を用いるフレームレス原子吸光分析
- 帯融精製法の分析化学への応用
- 陰イオン交換液を用いるコバルトの迅速吸光光度定量
- セレン化ヒ素高屈折率媒質による水溶液赤外全反射吸収スペクトル法
- ガスクロマトグラフィ--化学イオン化質量分析法によるベンゼン中の微量不純物の定量
- 25."High ortho novolakとHexamethylene tetramineの硬化反応について"