11 鉄鋼分析

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本進歩総説は1970年および1971年の2年間の内外の雑誌,単行本に掲載された鉄鋼関係の分析に関するものをもとに記載した.この間の報告は総説も含めその数は非常に多く,紙面のつごう上約1/3に削減せざるを得なかったが,詳しい紹介を除きできるだけ集録することに努めた. 今期間の傾向としては重量,容量分析が減少し,1968年の進歩総説ではその他の部類にはいっていた原子吸光分析の報文がますます増加したことがあげられる.吸光光度法は依然として多く,分析の主力をなしている. 機器分析法は自動化,コンピューターと連結させ,分析機器の性能を工場においてじゅうぶん発揮させ管理分析より製鋼技術の発展をもたらし,これらのことが総括的に紹介1)2)されている.また各種機器の鉄鋼その他金属分析への応用については解説として,原子吸光分光分析法3),発光分光分析法4),けい光X線分析法5),X線マイクロアナライザー法6),赤外線吸収分析法7)がある. 鉄鋼中のガス分析の報告も著しく増加し,JISのガス分析通則も近くみられる予定である. 状態分析に関しては,湿式分析を併用した,いわゆる非金属介在物の範ちゅうより物理的測定によるものに移行し,X線マイクロアナライザー,イオンマイクロアナライザー,赤外吸収分析のほかオージェ電子スペクトロスコピー8),メスバウアー効果9)などの報告も見られることはこの期間の新しい傾向で,今後ますますこの傾向の強くなることをものがたる. 外国における総説としてはAnal.Chem.10)に定期的に掲載ざれているものおよび単行本としてはASTM関係11)12)のもの,そのほかサンプリング-分析試料採取の調製13),超微量元素分析14),現在分析に利用されているほとんどすべての機器分析15)についての成書がある
社団法人日本分析化学会の論文

11 鉄鋼分析

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