スチルバゾによるジルコニウムの吸光光度定量
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概要
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スチルバゾはジルコニウムと反応して緑青色の錯体を生成する.この錯体の吸収曲線は,pH2.4〜5.0で585mμに等吸収点を与える.これを利用してpH3.0で吸光光度定量法について検討した結果,0〜1.2μg/m<I>l</I>のジルコニウムが定量できた.モル吸光係数は5.6<SUB>5</SUB>×10<SUP>4</SUP>であり,log(<I>I</I><SUB>0</SUB>/<I>I</I>)=0.001の感度は1.6×10<SUP>-3</SUP>μg/cm<SUP>2</SUP>であった.<BR>妨害元素はベリリウム(II),インジウム(III),ハフニウム(IV),マンガン(II),モリブデン(VI),チタン(IV),トリウム(IV),タングステン(VI)およびバナジウム(IV,V)などである.またリン酸,シュウ酸,クエン酸およびEDTAなどが微量でも妨害する.<BR>マンガンおよび微量のチタンはスルホサリチル酸でマスキングできる.またモリブデンはチオグリコール酸,タングステンはチオシアン酸カリウムとアスコルビン酸とで,それぞれ妨害をマスキングできる.また多量に存在すると妨害する鉄(III),銅(II),アルミニウム(III)などはそれぞれアスコルビン酸,チオ尿素,スルホサリチル酸でマスキングできる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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