硫酸セリウム(III)によるヘキサフルオロケイ酸の検出および沈でん滴定
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概要
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ヘキサフルオロケイ酸(H<SUB>2</SUB>SiF<SUB>6</SUB>)は鋭敏な検出法がなく,やむを得ずカリウム塩として検出されており,定量法としては,アルカリ溶液による滴定が行なわれている.また,ヘキサフルオロケイ酸が,希土類元素と反応して沈でんを生ずることも古くから知られているが,じゅうぶん検討されておらず,分析化学的な利用も少ない.著者らは,セリウム(III)塩とヘキサフルオロケイ酸との反応を電気伝導度滴定によって検討し,硫酸セリウム(III)によるヘキサフルオロケイ酸の検出と,沈でん滴定による定量を試みた.ヘキサフルオロケイ酸がセリウム(III)塩によって白色沈でんを生ずるのは, pH1〜9の溶液であるが,硫酸セリウム(III)を用いた場合,検出限界は10μgであり,カリウム塩による検出法に比べ30倍ほど鋭敏であることを知った.ついでキシレノールオレンジ(XO)を指示薬として用い,pH6で硫酸セリウム(III)による沈でん滴定を行なったところ,約15mgのヘキサフルオロケイ酸について100.0±0.65%の定量値を得た.反応式は次のように推定される.<BR>Na<SUB>2</SUB>SiF<SUB>6</SUB>+Ce<SUB>2</SUB>(SO<SUB>4</SUB>)<SUB>3</SUB>+4H<SUB>2</SUB>O=2CeF<SUB>3</SUB>+Si(OH)<SUB>4</SUB>+Na<SUB>2</SUB>SO<SUB>4</SUB>+2H<SUB>2</SUB>SO<SUB>4</SUB>
著者
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