環状酸無水物と硫化水素の加圧反応
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概要
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環状酸無水物と硫化水素 (H<SUB>2</SUB>S) の加圧反応について検討した。200℃における反応性は無水マレイン酸 (1) >無水コハク酸 (2) >ヘキサヒドロ無水フタル酸 (3) >無水フタル酸 (4) >無水ナフタル酸 (5) の順であった。<BR>生成物は対応するチオ酸無水物のほかにチオラクトン, 開環したジカルボン酸などで, (1) からはイオウを含むタール状物のみを生じ, 一方 (5) はほとんど反応しなかった。 (2), (3) の場合はジカルボン酸が多量に生成した。<BR><I>p</I>-トルエンスルホン酸 (PTS) あるいはFeCl<SUB>3</SUB>, ZnCl<SUB>2</SUB>, AICl<SUB>3</SUB>のごときルイス酸の添加により反応は促進され, チオ酸無水物の収率が増加した。トリエチルアミン (TEA) の添加でも反応は促進されるが, カルボニル基の還元が進み, チオラクトンが主生成物となった。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
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