三硫化モリブデン触媒によるオクタンチオ酸の水素化分解
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概要
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オクタンチオ酸を三硫化モリブデン触媒の存在下160〜300℃, 水素80kg/cm<SUP>2</SUP>定圧下に水素化すると, 種々の中間生成物を経てオクタンまでの開裂が進行した。<BR>200℃以下ではオクタンチオ酸<I>S</I>-オクチルとオクタン酸が主生成物であったが, 前者は主として反応物の脱硫化水素会合によるジオクタノイルスルフィドが還元されたものであり, 後者は反応物その他の加水分解によるものと推察した。より高温では反応物が直接水素化されオクタンチオールが主生成物となったが, 300℃ではオクタンまでの水素化分解が進行した。<BR>オクタンチオ酸の水素化分解はオクタン酸にくらべて進行しやすく, 中間に種々の含硫黄二量体を生成し, 水素化開裂は炭素-硫黄結合よりも炭素-酸素結合でおこりやすいことがわかった。これらの反応経路を推定して図式的に示した。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
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