1-メチル-2-イソプロピルナフタレンの合成
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概要
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セスキテルペン化合物を硫黄と加熱したときに得られる一母体炭化水素オイダレンは種々な方法で合成されている。2-イソプロピルナフタレンを臭素化すると臭素はカサ張ったイソプロピル基の隣接位から離れたα-位に優先的に導入され1-ブロモ-7-イソプロピルナフタレンを生成することが予想され,これから容易にオイダレン(1-メチル-7-イソプロピルナフタレン)が得られるであろうと期待される。しかしこのようにして得られた臭素化物からGrignard反応により導いたメチルイソプロピルナフタレンはオイダレンと比較するとIR,NMRが明らかに異っていた。この炭化水素は別途合成品との比較により1-メチル-2-イソプロピルナフタレン(7a)と同定した。2-メチルナフタレンを臭素化すると1-ブロモ-2-メチルナフタレンを生成することはすでに知られているが,これと同様に2-イソプロピルナフタレンからは1-ブロモ-2-イソプロピルナフタレン(8)を生成することが判明した。(7a)および(8)のピクラートは同一の融点を示すが,意外にも混融試験では融点降下を示さなかった。<BR>簡単な化合物でありながら(7a)は文献上未知な炭化水素であるのでその構造を確認するために1-テトラロン(1)から出発して下記の経路にしたがって合成した。比較のため同様にして1-イソプロピル-2-メチルナフタレン(7b)および1,2-ジメチルナフタレン(7c)を合成した。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
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