検知管による微量ニッケルカーボニル蒸気の迅速定量法

概要

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微量のニツケルカーボニル (Ni (CO) <SUB>4</SUB>) 蒸気を簡易かつ迅速に測定する目的で著者は検知管を用いる定量法について研究を行つた。すなわち, 塩化金をシリカゲル粒に吸着, 乾燥したものはNi (CO) <SUB>4</SUB>蒸気に触れ, 鋭敏に反応してコロイド状金を遊離して淡黄色から青紫色に着色することを見出したのでこれを検知剤に用いて検知管を作製した。次に送入速度F=1cc/secにて試料ガスV=100ccまたはV=30ccを検知管に送入し, 生じる着色層の長さから前者においては20〜600ppm, 後者では50〜2, 000ppmの濃度範囲を測定した。また, 同一速度にて検知剤の着色が認められるまでに送入したガス体積から最低3ppmまで測定することができた。検知管の内径補正, 検量曲線, 温度の影響等について実験を行い測定現場で直読できる濃度表および温度補正表を得た。最後にアセチレン, 一酸化炭素等の測定値に及ぼす影響について検討した。本法は工場現場において有効に使用できるものと考える。