氷の摩擦
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概要
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氷の摩擦機構の諸説を紹介し, とくに高速, 低速, 低温における氷の摩擦特性および単結晶氷の摩擦の異方性に関する最近の研究を概説した.Evansらは摩擦融解説を定量的に発展させた.Barnes, Taborらは10<SUP>-6</SUP>〜10<SUP>2</SUP>cm/sの速度領域で摩擦を行い, 低速度域にクリープによる摩擦を見出した.Schulzらは-5℃〜-160℃での摩擦を調べ, -110℃付近に摩擦のピークを見出し, そのピークを氷の力学的緩和によると考えた.Offenbacherらは摩擦抵抗力が真の接触面に比例する関係をえた.対馬は鋼球滑走体を用い, 氷の柱面は底面の2倍の摩擦をもつこと, 柱面上では滑走方位により摩擦が異なるという結果をえた.対馬はそれらを凝着説で説明した.<BR>今後の課題として, 低速から高速までの一貫した摩擦研究がある.その際, 静止摩擦, ころがり摩擦が摩擦機構の研究の上で有効な手段となるであろう.
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