水に浸った雪の粗大化
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概要
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0℃の恒温箱を作り, 水に浸った雪の粒径分布を5分から1,000時間にわたって測定した.始め狭い範囲に集中していた雪粒は, 経過時間とともに分布範囲を広げた.平均粒径φ (mm) は時間<I>t</I> (hour) の3分の1乗に比例し, 一方平均体積は時間に比例して増大した.平均粒径の成長速度は粒径逆数の2乗または融点降下度ΔT (℃) の2乗に比例した.つまり, <BR>φ=0.20<I>t</I><SUP>1/3</SUP>+0.005, dφ/d<I>t</I>=2.5×10<SUP>-4</SUP>/φ<SUP>2</SUP>=3.5×10<SUP>5</SUP>ΔT<SUP>2</SUP><BR>であらわされた.これらの関係式は粗大化が雪粒間の熱流によるとして計算した結果とよい一致を示した.さらに, 0℃のケロシンに浸した雪では粗大化が極めて遅いことから, 水に浸った雪の粗大化は平衡温度の高い大きい雪粒から平衡温度の低い小さい雪粒への熱の流れによる, 雪粒の成長と融解・消滅によると考えた.<BR>水に浸った雪の硬さの変化, 雪粒間の粒界エネルギーについても2, 3の測定を行なった.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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