豪雪地帯造林地の積雪
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概要
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本調査は, スギが雪圧によってしばしば被害をうける豪雪地帯での積雪の状態を明らかにするため行なった.五味沢造林団地は新潟県の豪雪地帯にあり, そこの種々な地形のところで最深積雪深, 雪圧, 積雪断面を1965~1969年の各冬季に調査した.その結果は次のとおりである.<BR>1) 五味沢における冬季間の積雪深の推移は, 十日町試験地のそれと非常に似ている.<BR>2) 平坦地の最深積雪深で500cm以上の豪雪年は, 最近20年間に5回あったとみられる.<BR>3) 根雪期間は平坦地で160~190日の範囲であると推定される.<BR>4) 最深積雪深は地形, 風向, 各冬の気象状態によって著しく変化し, 豪雪年では310cmから750cmあるいはそれ以上, 少雪年では290cmから470cmの範囲にある.そして, 常に風しよう斜面で浅く, 風背斜面で深い.そのため, 傾斜地の雪圧は風背斜面で非常に大きい値を示す.平坦地の沈降圧は十日町の値の2.4~3.0倍の値を示した.<BR>上述の積雪状態は, 森林被害と密接な関連をもっている.
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