Thromboplastin Generation TestにおけるSoya-Lecithinの血小板代用法
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概要
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血液凝固学においてthromboplastin generation test (TGT)の占める役割は大きく,研究面では,ほとんど不可欠の検査法である。しかし,操作が複雑であり,常に一定の値を得るには相当の熟練を要する.ことに,一定活性度の血小板液を得ることは,今日の方法では極めて困難である.われわれはConner等の報告にヒントを得て,大豆燐脂質であるSoya-lecithin (0.1%懸濁液)を血小板液の代用としてTGTを試み好成績を得た.本法によるTGTの成績は,正常群ではincubation時間9〜12分において,凝固時間が全て10〜13秒であり, Owenの正常範囲と一致した.異常群では,おのおのその疾患を極めて典型的に表現した値を得た.すなわち, Warfarin使用患者では血清系の異常が見られ, PTC因子欠乏が考えられた.また, Warfarin投与の量・期間の程度も反映された.出血傾向のあるpolygenopathyの患者では,血漿・血清両者に異常を示し, PTA因子欠乏が考えられた.また,既往歴,家族歴に典型的な血友病の患者では,血漿系に著明な凝固延長が見られ,血友病Aの診断を確定した.以上の結果よりみて,血小板の代りにSoyalecithinを用いてもTGTは充分に施行できることがわかる.しかも従来の血小板を使用する方法に比べ,操作が簡易であり.一定活性度を有する懸濁液の作成が可能である点等,明らかに優れており,その利用を提唱するものである.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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