ビタミンB1ショックの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
56才の男.食餌性蕁麻疹を二,三度経験した以外にアレルギー疾患の既往なく,家族にもアレルギー疾患はない.ビタミンB110mgの静注後1分以内に急激な血圧降下,冠不全,全身の発赤,顔面蕁麻疹様膨疹をきたし失神した.ノルアドレナリン,プレドニソロンの静注および酸素吸入が奏効し,ショック状態より回復した.ビタミンB1に対する皮内反応強陽性, Prausnitz-Küstner試験陰性,白血球融解現象陽性, ACTHテスト正常であつた,ビタミンB1を用いて減感作に成功にした.減感作後に皮内反応は陰性化した.更にビタミンB1,アリナミン,コカルボキシラーゼ,ピリミジン誘導体4種,サルゾールSおよびチアゾールイ***ーに対する皮内反応を試み,ビリミジン核を有する薬剤に共通して皮内反応が陽性となることから,本症例においてビタミンB1の抗原としての決定群はピリミジン核残基であろうと推論した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
-
柿沼 光明
北海道大学内科科学第二講座
-
浅野 武彦
苫小牧市立病院内科
-
吉田 忠正
北海道大学医学部第二内科
-
川崎 武
苫小牧市立総合病院内科
-
牧田 茂雄
苫小牧市立病院内科
-
川崎 武
苫小牧市立総合病院
-
柿沼 光明
北海道大学医学部第二内科
-
浅野 武彦
苫小牧市立総合病院
-
柿沼 光明
北海道大学免疫科学研究所病理
関連論文
- 室内塵の抗原に関する研究
- 24. 室内塵エキスの抗原性に関する研究(誌上発表)(第12回日本アレルギー学会総会)
- 51.花粉アレルギーに関する研究(誌上発表)(第11回日本アレルギー学会総会一般演題)
- 50.屋内塵に関する研究(誌上発表)(第11回日本アレルギー学会総会一般演題)
- 162) 不整脈に關する研究(3報) : クロルプロマジン系藥物の局所適用實驗と臨床使用經驗(第23回日本循環器學會總會)
- 150) アナフィラキシーシヨック時の循環動態に關する研究(第1報)(第22回日本循環器學會總會(後半))
- 71)不整脈に關する研究(第1報) : 實驗的心室期外収縮・心室頻搏に對するクロルプロマジン及びコハク酸ソーダの効果(第21回日本循環器學會總會)
- 出血性ショック時の肝循環に関する研究 : 肝血流量と心送血量との相互関係並びに内臓酸素消費量について
- 35) 不整脈に関する研究(第4報) : Phenothiazine誘導体の化学構造と抗不整脈作用について(第24回 日本循環器学会総会)
- BCG細胞壁による肺肉芽腫形成反応における細胞性免疫の関与
- 精製ウサギγG抗体より分離したHeavyおよびLight Chainの抗体活性について : 第2報.Antigen-Binding Capacityの測定による観察
- 精製ウサギγG抗体より分離したHeavyおよびLight Chainの抗体活性について : 第1報.間接赤血球凝集反応およびRadioimmunoelectrophoresisによる観察
- 42. 血漿ヒスタミンの化学的測定について(第14回日本アレルギー学会総会)
- 気管枝喘息の皮膚反応による室内塵および真菌類アレルゲンの検索成績(第4回アレルゲン研究会)
- 気管枝喘息の皮膚反応による室内塵および真菌類アレルゲンの検索成績(第4回アレルゲン研究会)
- 室内塵エキスに関する二, 三の問題
- 原発性肝癌とBudd-Chiari症候群について
- ビタミンB1ショックの1例
- タイトル無し