ルポイド肝炎の2症例
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概要
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21才及び33才女子の症例.両例とも黄疸の再発,関節痛,月経不順,間歇的発熱等の病歴をもつて入院.臨床所見では面皰,クモ状血管腫,出血斑,肝腫大を有し,又貧血,血沈の著明な促進肝機能変化著しく特にその血清ア性フォスファターゼの上昇が目立った.血清蛋白分画ではγ-グロブリンの異常な増加あり.又肝性検では活動性慢性肝炎の像を示し,特に黄疸再発時の肝細胞実質障害が著明で経過と共に結合織の増生を示した. 1例に好酸性の巨細胞を認めたのは注目を要する。電顕所見では肝細胞原形質小器管の変化と毛細胆管障害が目立った. 1例にLE細胞陽性を示した.両例ともステロイドホルモンの投与により改善をみとめたが,再発ずる傾向にある.以上2例はMackay(1956年)により呼称されたルポイド肝炎に相当するものと思われる.本邦においては最初の症例報告と思われ,こゝに報告した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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窪谷 静子
千葉大学医学部第一内科学教室
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谷川 久一
千葉大学医学部
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西村 弥彦
千葉大学医学部第一内科
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桧垣 有徳
千葉大学医学部第一内科
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荒木 英爾
千葉大学医学部第一内科
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谷川 久一
千葉大学医学部第一内科
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窪谷 静子
千葉大学医学部第一内科
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