亜急性の経過を示した多発性筋炎(Polymyositis)の1例
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概要
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22才の家婦. 2カ月前,右肩及び右上腕に激痛があり,兩上肢及び頸部に脱力感が現われた.その後,咀嚼筋にも脱力感がおこり, 2週間前から兩下肢脱力のため走行困難となり,痩せが著明となつたので入院した.月経順調.入院時,全身の筋萎縮,特に肩胛帯及び四肢近位筋の萎縮が著明であつたが,腱反射及び知覚の異常はなかつた.檢査では,尿中クレアチンの増加及びクレアチニンの減少がみられた. BMR+25.5%,甲状腺131I攝取率及び血清PBI正常.血沈1時間13mm.血清蛋白分画に異常なく,白血球5,400. EMGで末梢神経及び筋傷害の所見がみられ,三角筋生檢による組織所見では筋線維の退行性変化,細胞浸潤及び結合織の増殖がみられた.多発性筋炎と診断,副腎皮質ホルモン剤の投與で症状は軽快した.本例は亞急性の経過を示した症例で,著者らの探し得た範囲では,本邦における本症の第2例目である.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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西山 明徳
東北大学医学部第一生理
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三輪 勣
東北大学医学部鳥飼内科
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和田 保男
東北大学医学部鳥飼内科教室
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岡 貞三
東北大学医学部鳥飼内科教室
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出村 博
東北大学医学部病理学教室
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西山 明徳
東北大学医学部鳥飼内科教室
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三輪 勣
東北大学医学部鳥飼内科教室
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