成人型シトルリン血症における血中アンモニアの日内変動について
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概要
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尿素サイクル酵素の分析によって,argininosuccinate synthetase活性の低下を証明した成人型シトルリン血症の48歳男性において,規則的な血中アンモニア(NH3)値の夜間上昇が観察された.NH3の日内変動の原因を知るために4日間絶食させたところ,第1日目の夜間値は有意に上昇を示したが,その後は漸次下降し,3日目の朝に最低値となり以後再上昇した.次に,絶食時にアミノ酸混液を輸液したところ,NH3値の上昇が見られた.従って,規則的な夜間上昇は,大腸で発生するNH3ではなく,小腸より吸収されるアミノ酸の異化過程で発生するNH3が,部分的に障害された尿素サイクルの処理能力を上まわって血中に蓄積することによると考えられる.この他に,絶食第1日目の夜間値が上昇したことより,アミノ酸・糖代謝系の日内リズムが相加している可能性が示唆された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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