中心静脈栄養カテーテルを用いた体外式Peritoneo-Venous Shuntingの適応と問題点
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
入院後3週間の内科的治療にもかかわらず腹水の改善をみることのなかった難治性腹水症例を報告した.本症例に対して,中心静脈栄養(IVH)カテーテルを用いて,体外式にPeritoneo-Venous (PV) Shuntingを構成したところ,著明な利尿とともに腹囲の減少がみられた.腹満感が減少したために経口摂取量が増え,栄養状態の改善がみられた.しかし,one way valveがshunt内に入っていなかったために,腹腔内圧の減少に伴って,IVHカテーテル内に血液の逆流がおこり,短期日に閉塞した.<BR>LeVeen shuntの装置が入取できる迄,計4回の体外式PV shuntingをおこなったが,4回目のshunting中に細菌性腹膜炎を合併し,Endotoxin Shockにて死亡した.体外式PV shuntingは容易に施行することができるが,長期化すると感染が必至であり,あくまで,LeVeen shuntの設置を前提としておこなうべきものと考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
関連論文
- 成人型シトルリン血症における血中アンモニアの日内変動について
- 成人型シトルリン血症に対するクエン酸療法
- 中心静脈栄養カテーテルを用いた体外式Peritoneo-Venous Shuntingの適応と問題点