Spur cell anemiaを合併し,急性播種性血管内凝固症候群で死亡したアルコール性肝硬変の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
58歳男.アルコール性肝硬変症に高度で持続する溶血性貧血を合併していた.末梢血赤血球の約80%はspur cellで,光顕および走査電顕像で特有の有棘化を認めた.血清lecithincholesterol acyltransferaseの活性低下があり,血清および赤血球膜の遊離型コレステロールとリン脂質との比が著明に増加していた.血清ディスク電気泳動像でVLDLとLDLの間にmidbandがみられ,さらに異常HDLも出現した.血清総胆汁酸は高値を示し,デオキシコール酸+コール酸とケノデオキシコール酸との比は低くないが,ケノデオキシコール酸の絶対量は増加していた.経過中急性播種性血管内凝固症候群を併発し死亡した.この原因として溶血に伴う赤血球膜からのリン脂質遊出と肝シンチグラムでみられた高度の肝網内系機能不全状態がtriggerとなったものと推定した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
古河 隆二
長崎大学第1内科
-
為西 昭勇
長崎大学第1内科
-
河野 健次
長崎大学第1内科
-
室 豊吉
長崎大学第1内科
-
赤沢 昭一
長崎大学第1内科
-
棟久 龍夫
長崎大学第1内科
-
石井 伸子
長崎大学第1内科 保健管理センター
-
小路 敏彦
長崎大学第1内科 保健管理センター
-
小路 敏彦
長崎大学第1内科
-
石井 伸子
長崎大学第1内科
関連論文
- Spur cell anemiaを合併し,急性播種性血管内凝固症候群で死亡したアルコール性肝硬変の1例
- 細小肝細胞癌7例の臨床病理学的検討
- 放射性ヨード標識抗α-Fetoprotein抗体を用いた肝細胞癌の局在診断
- 酵素免疫定量法によるHBs抗原の測定
- 細小肝細胞癌の臨床的解析
- 肝細胞癌に肝原発悪性混合腫瘍を合併した1例
- アルコ-ル肝障害の臨床病理的考察
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- A case report of hepatocellular carcinoma who has survived for 10 years.
- TREATMENT OF GALLSTONE WITH URSODEOXYCHOLIC ACID:Lipid and Bile acid Composition in Bile
- タイトル無し
- Radioimmunoassay of Apolipoprotein A-I and A-II of Human High Density Lipoprotein
- Hemobilia を合併した Dubin-Johnson 症候群の1剖検例
- 胆道内発育をした肝細胞癌の2例と本邦報告例の臨床的解析