Triton X-100添加polyacrylamide disc gel electrophoresisによる肝疾患におけるalkaline phosphatase isoenzyme : による肝疾患におけるalkaline phosphatase isoenzyme

概要

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Triton X-100をpolyacrylamide disc gelに加え,肝疾患その他150例についてelectrophoresisによるalkaline phosphatase (AP) isoenzymeを検討した.Triton X-100添加により,従来の方法より鮮明なAP bandが得られ,さらに原点近くに2個の新しいband (T1, T2)を認め,T1は単独にみられたが,T2は常にT1と共に出現した.肝疾患ではT1は76,7%, T2は32.2%の頻度にみられ,疾患別にみるとT1は肝細胞癌,急性肝炎に高頻度にみられ,T2 APは殆んどなかった.これに反し肝硬変症,慢性肝炎ではT2は約40%に認め,小腸AP出現例に多かった.阻害実験では,T1及びT2共にL-phenylalanine, L-leucine sensitive, L-homoarginine resistantと小腸APに類似性を示し,特にT2にその傾向が強かった.T1及びT2 APは従来原点に止っていたAPが,Triton X-100の作用により,新たにgel内に泳動されたものであり,肝疾患の鑑別の一助になりうると考えられる.
社団法人日本肝臓学会の論文