インターフェロン治療の完全著効後8年6ケ月で肝細胞癌を発症したC型慢性肝炎の1例
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概要
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C型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFN) 療法により完全著効が得られたにもかかわらず, 治療終了後約8年6カ月で肝細胞癌を合併した1例を報告する. 症例は71歳の男性. 1992年HCV感染を指摘されIFN療法が施行された. 結果は完全著効であり, その後もHCV-RNAの再出現や肝機能異常なく経過した. 2001年6月頃より全身倦怠感, 微熱が出現したため精査目的で入院した. AST, ALTは正常値であったが, 腫瘍マーカーはPIVKA-IIが313mAU/mlと高値であった. 腹部エコー及びCTにて肝S1に径4cm大の腫瘤を認め, 造影パターンより肝細胞癌が疑われた. 血管造影により腫瘍濃染像を認め肝細胞癌と診断し, TAEを施行した. 術後3週間CTでは腫瘍部への lipiodol の良好な集積を認めPIVKA-IIは34mAU/mlと正常化した. 術後10カ月経った2002年7月現在再発もなく経過観察中である. 本症例はIFN完全著効例に対する長期の経過観察の重要性を示すものと考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 2003-06-25
著者
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