3歳児健診で発見された尿異常症例の臨床的検討
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概要
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【背景・目的】腎尿路疾患の早期発見を目的に3歳児健診時に検尿を実施する自治体が増加している.尿異常を指摘された児については, 負担のない検査で鑑別診断を行う必要がある.【対象と方法】対象は1995年6月より2001年5月までの6年間に, 3歳児健診で尿異常を指摘されて群馬県立小児医療センター腎臓内科を受診した104例である.血尿単独症例が87例と最多であり, 血尿蛋白尿症例が1例, 蛋白尿単独症例が6例, 白血球尿症例が10例であった.【結果】血尿単独症例の臨床診断は無症候性血尿が78例, 良性家族性血尿が7例, ナットクラッカー現象が1例, 特発性高カルシウム尿症が1例であった.無症候性血尿症例のうち4年以上経過を観察し得た35例中17例で血尿が消失した.血尿蛋白尿症例は紫斑病性腎炎と推定された.蛋白尿単独症例は6例中4例がネフローゼ症候群であり, 尿細管性蛋白尿と矮小腎が各1例であった.白血球尿症例は全例が女児であり, 陰門膣炎が6例, 異常なしが4例であった.【結語】3歳児の無症候性血尿症例の中には加齢に伴なって血尿が消失する例が少なからず存在するため, 過剰な管理は行わずに就学時まで経過観察すべきである.蛋白尿単独症例はネフローゼ症候群か先天性腎尿路疾患の可能性が高いため要注意である.女児の白血球尿は外陰部の炎症によるものが多い.
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