低血糖発作を反復した原発性肝癌の1例
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概要
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41歳男子,右季肋部痛を主訴として入院した.入院後,血糖が徐々に低下し,ついに低血糖発作をおこすようになった.このような変化に併い,FFAは下降し,TGは反対に上昇した.50gmGTTで投与前約30mg/dl,, 1, 2時間後は約100mg/dlと糖尿病様の曲線を示した.これらの成績は糖尿病の合併と肝硬変の関与も否定し得ない.入院後72病日で死亡,肝穿刺により組織学的に肝細胞癌であることを確めるとともに肝細胞のglycogen含量はきわめて少ない.また,低血糖状態が進行してからの血清insulinは低く,また尿中catecholamineは著しい上昇を示している.最後に,種々の検査成績を基礎として本例の低血糖発作の機序について若干の考察を行なった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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佐藤 恒久
三宿病院 循環器科
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豊川 秀治
三宿病院 内科
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佐藤 亮五
三宿病院 内科
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上野 幸久
三宿病院 内科
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遠藤 了一
三宿病院 研究検査課
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福田 正則
三宿病院 病理
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佐藤 恒久
三宿病院 内科
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