Dubin-Johnson症候群とRotor型過ビリルビン血症の関連についての考察 : Bucolom投与をめぐって
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概要
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14名(男7名,女7名)のDubin-Johnson症候群の患者に900〜1,800mg/dayのBuco-lomを内服で1〜4週間投与した.しかし,血清ビリルビン値は有意の減少を示さなかった.<BR>Dubin-Johnson traitを有する23家系を構成する26同胞群に含まれる168人の調査で,1人のRotor型過ビリルビン血症も発見できなかった.<BR>また,両疾患患者におけるBSPおよび<SUP>131</SUP>I-BSPの代謝様式の差異は,光顕ならびに電顕上の所見の差異とあいまって,これら両疾患が異なった病態生理に起因するものと想像された.もし,熊谷らの報告する様にBucolomによってRotor型過ビリルビン血症の血清ビリルビン値が著明に低下するのであれば,Dubin-Johnson症候群とRotor型過ビリルビン血症との鑑別にBucolom投与が有意義となるであろう.以上の事実は,Rotor型過ビリルビン血症がDubin-Johnson症候群の単なるvariantではない事を示して余りあるものといえよう.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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