溶血液の肝障害に関する研究
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概要
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ラットに溶血液を週1回2ml宛6ヵ月間投与後の肝組織所見を光顕および電顕的に検討するとともに肝機能検査を施行した.光顕では主に中間帯および周辺帯における肝実質細胞の変性像,PAS陽性物質の脱落が認められ肝細胞類洞面には細い線維が増生し肝線維症というべき部位も散見された.電顕では肝細胞類洞面に直径0.5〜1.5μの空泡がみられ,狭い開口部によりDisse腔と交通している像が観察された.Microvilliの配列は不揃いで不規則な入りくみを呈しており,Disse腔の間隙も一様でなく,一部には基底膜様構造,軽度の線維増生(いわゆるcapilarizationともいうべき所見)が認められた.肝機能上では181I-BSPを用いた色素排泄能に異常が認められたが,血中GOT, GPT, Al-P.などの上昇は有意ではなかった.<BR>以上の成績から,溶血液投与時には,明らかに肝組織障害が惹起され,その主な変化は肝細胞類洞面にあることを推定した.
著者
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岡本 真郎
東京医科歯科大学第一内科
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天川 孝則
東京医科歯科大学医学部硬研組織
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片山 敬
東京医科歯科大学医学部第一内科
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宮崎 龍之輔
東京医科歯科大学 第1内科
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広瀬 康二
東京医科歯科大学 第1内科
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古川 義之
東京医科歯科大学 第1内科
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天川 孝則
東京医科歯科大学 硬組織研究施設
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片山 敬
東京医科歯科大学 第1内科
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岡本 真郎
東京医科歯科大学 第1内科
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