ラツトにおける血中131I-BSPの経時的測定法
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概要
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肝親和性色素の血中動態の観察には, 多量の採血を要し, 小動物を用いた場合, 総採血量が過大となる欠点があつた. 今回, 131I-BSPを用い実験小動物を生理的に近い状態下で, その血中動態を観察しうる方法を考案した. ラットに131I-BSP 0.025mg/0.5ml静注後, Ht管を用い0.07mlと微量の採血により, 経時的に10〜13回の採血を可能とし, 同一個体で本色素の血中半減時間, 消失率, 残留率の算出を行なつた. 無処置ラット10匹の平均値は, おのおの1.16分, 0.606, 40分値で0.69%で, 一方CCl4投与群のそれは, 1.90分, 0.383, 1.46%と測定された. すなわち本方法は小動物を用いた肝親和性色素の排泄機序の解明に利用しうる方法と考察された.