多段分離における充填層の乱れ特性
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概要
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吸脱着を利用した多段分離を用いて難分離物質を工業的に分離する試みが行われているが, これらは仮想段高さ (<I>H<SUB>q</SUB></I>) がミリメートルオーダーと小さいものが多く, スケールアップには多数の困難な工学的問題がある.本報ではその代表例であるウラン同位体の分離実験を行って, 充填層の乱れと分離度 (α) の関係を研究した.実験によって得られた同位体比分布を分離の支配方程式によってフイッティングして分離性能を評価した結果, 同一の吸着剤および溶液条件下でαが3.2%から4.4%の範囲に観測された.そこで実験に用いた充填層の乱れをパルス応答法を用いて測定した.応答波形の解析には修正ガウス分布を用い, 統計量を評価して, 充填層の乱れを液相の仮想段高さ (<I>H<SUB>m</SUB></I>) として求めた.この<I>H<SUB>m</SUB></I>とαを整理した結果, 性能のばらつきが充填層の乱れに起因し, <I>H<SUB>m</SUB></I>の大きさは0.4〜0.6mm, <I>H<SUB>q</SUB></I>に対する割合は30〜40%であることがわかった.
- 社団法人 化学工学会の論文
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