空気分離プロセスにおける上塔と粗アルゴン塔のシミュレーション
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概要
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本論文の目的は空気分離蒸留系における上塔と粗アルゴン塔を組み合わせたプロセスをシミュレーションすることである.この系は, 普通の蒸留塔と区別される2つの特徴がある.第一に, 上塔塔頂から出る蒸気を冷やす適当な冷媒がないために, 上塔にはコンデンサーが存在しない。第二に, 粗アルゴン塔にはリボイラーがなく, また塔底の液は重力のみで上塔に戻している. 現実のプロセスは数学的にNewton-Rhapson法で計算される.上記の2つの制約を満たすために, 上塔塔頂蒸気の変数は, 上塔塔底熱負荷の変数と交換し, 粗アルゴン塔塔頂蒸気の変数は, 粗アルゴン塔塔頂熱負荷と交換する.<BR>このアルゴリズムのヤコビアンは, 三項対角行列のほかにもサブマトリックスが存在する.このマトリックスを, 三項対角行列と残りの行列の2つに分けて考える. 上塔塔頂のサブマトリックスの逆行列をつくるために, 三項対角行列に故意に任意の非ゼロ値を加え, 同じ値を残りの行列から引く. このようにKubicekのアルゴリズムによって, 首尾よくこの間題を解くことができる.
- 社団法人 化学工学会の論文
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