清澄濾過における初期粒子捕集機構
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概要
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清浄な充填層型濾過層の示す懸濁粒子捕集能力は濾過係数の形で評価されるが, その濾過係数を層内の流れに桑原の式を適用し軌道理論より求めた.ブラウン拡散による捕集の寄与が小さく, 電気二重層による反発力が無視できるような高イオン強度系では, 計算から求められる濾過係数と実測値との間には絶対値および傾向ともある程度良好な一致が見られた.ブラウン拡散による捕集の寄与が小さく, 電気二重層による反発力が無視できない低イオン強度系では, 付着効率を考慮して軌道理論を修正し濾過係数を求めた.ここで, 付着効率とは濾材に接触した懸濁粒子のうち実際に付着に至る粒子の割合を示すが, この値は懸濁粒子の濾材に対する付着力および懸濁粒子を濾材から分離させようとする流体の力に関する実験結果より推定した.この修正をした軌道理論により, 従来の軌道理論から求まる値と実測値との差異をある程度説明できることが確かめられた.
- 社団法人 化学工学会の論文
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