膜分離法による燃焼排ガスからの二酸化炭素分離・除去の経済性考察
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概要
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燃焼排ガスの二酸化炭素除去への膜分離法の適用を, コンピューターシミュレーションにより検討した.操作方式として, 通常の1段分離 (SSP), 連続膜塔 (CMC) および単純2段カスケード (TSC) を選び, 膜分離の目標として, CO<SUB>2</SUB>純度90%, 回収率60%を設定した.分離膜に要求される選択性は, SSPでは210, 循環率 (<I>RR</I>) =2のCMCでは70, <I>RR</I>=3のCMCでは44, TSCでは24と算定された.検討した中で, TSC操作での所要動力が最も大きく石油発電力の15.6%に相当したが, SSP操作ではTSCでの所要動力の38%にすぎなかった。濃縮ガスをさらに液化するとした時の回収CO<SUB>2</SUB>量当たりの必要全エネルギー [kWh・kmol<SUP>-1</SUP>-CO<SUB>2</SUB>] は, TSCで28.0, CMC (<I>RR</I>=3) で 26.9, CMC (<I>RR</I>=2) で22.9そしてSSPで14.9と見積られた.3種の膜分離法と液化法の複合プロセスは, 化学吸収法と液化法の複合プロセスより運転エネルギー面で優位にある.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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原谷 賢治
物質工学工業技術研究所
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伊藤 直次
工業技術院物質工学工業技術研究所
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原谷 賢治
工業技術院 物質工学工業技術研究所
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中岩 勝
工業技術院 物質工学工業技術研究所
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神沢 千代志
工業技術院 物質工学工業技術研究所
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伊藤 直次
工業技術院 化学技術研究所
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伊藤 直次
工業技術院 物質工学工業技術研究所
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中岩 勝
工業技術院 化学技術研究所
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