成長期にあるラットのカルシウム出納に及ぼすカゼインボスホペプチド (CPP) の効果
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概要
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離乳直後のSD系雄ラットを用い, カルシウム0.35%リン0.70%を含み分離大豆タンパク質をタンパク源とする飼料にカゼインホスホベプチド (CPP) を対カルシウム比にして0, 0.35, 2.5, 5.0, 7.5, 10倍量添加して, 4週あるいは8週間与え, それぞれカルシウム出納試験を行った。また, 試験終了時における血清カルシウム, 大腿骨カルシウムならびに破断力, さらに小腸内可溶性カルシウム量に及ぼすCPPの影響を検討した。<BR>1) 試験食で4週ならびに8週飼育後, 体重に大きな差はなくCPP無添加群に比較してCPP添加群はいずれもカルシウム出納は有意に向上した。血清カルシウムレベルはCPP添加群でわずかな上昇を示した。<BR>2) CPP添加の有効量を検討した結果, 飼育4週後のカルシウム出納は, CPP/Ca比0.35 (CPP約0.12%) 添加群以上で有意に増大して, 添加量の増加に伴う漸増傾向を示した。<BR>3) CPP無添加群に比較してCPP添加群は, いずれの群も, 大腿骨の重量ならびにカルシウム含量が増大した。しかし破断強度には影響はみられなかった。一方, 飼料摂取2時間後の小腸内の可溶性カルシウム量はCPP添加に伴い上昇した。<BR>以上のことから, 成長期で低カルシウム食餌のもとではCPP摂取により, 小腸管腔内の可溶性カルシウム量の増加に伴う吸収量の増大がおこり, 併せて, 糞中へのカルシウム排泄量が減少するため, カルシウム出納が正方向へ亢進するものと考えられた。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
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