柿葉のビタミンCとポリフェノール成分との関係
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概要
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健康茶として飲用されている柿葉茶の有効成分, すなわち, ビタミンCとポリフェノール成分の含有量の挙動を, 季節別生葉とその乾燥法別柿葉茶, さらに柿葉茶浸出液について追究した。その結果は次のようである。<BR>1) 生葉のビタミンC量は, 7月葉に最も多く485mg/100gで還元型が70%を占めた。9月葉では著しく減少し, 季節の経過に伴い還元型が減少し酸化型が増加する傾向を示した。10月の若葉は春から成長してきた10月葉に比べてビタミンC量は高く, 酸化型の占める割合は63%であった。生業のポリフェノール量は季節の経過に伴ってしだいに増加し, とくに10月の若葉は著しく高く3, 100mg/100gであった。<BR>2) 生葉をそのまま乾燥, 蒸熱後乾燥, 真空凍結乾燥の方法で柿葉茶を作製した。柿葉茶のビタミンC量は, いずれの乾燥法でも著しく減少した。減少の少なかった真空凍結乾燥柿葉茶でも残存率は14〜20%で, 酸化型が90%を占めた。ポリフェノール量は, ビタミンC量高く酸化型への変化の大きかったものほど顕著な減少はなかった。すなわち, ビタミンCとポリフェノールの相互関係が認められた。<BR>3) 柿葉茶を80℃の湯を用いた浸出液中のビタミンCとポリフェノールの溶出率は, 蒸熱後乾燥したものが著しく高かった。柿葉茶浸出液のビタミンCとポリフェノール量との間には正の相関が認められた。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
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