IgGリウマトイド因子測定に及ぼす還元処理の影響-慢性関節リウマチの疾患活動性との関連について-
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概要
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Enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)でIgGリウマトイド因子(RF)を測定する場合, IgM RFに結合したnon-RF IgGをIgG RFと測定する可能性があり,前もって検体を還元処理することが有用とされている.今回われわれは還元剤としてdithiothreitol (DTT)を用い, RA 18例の血清53検体のDTT処理前後のIgG RFをIgG RF測定キットED 001 (エーザイ)で測定し, IgG RF値の変動とRAの疾患活動性との相関を検討した.さらに,ゲル濾過法を用い,還元処理したRF陽性血清中のIgM RFとIgG RFの存在様式に及ぼす影響も検討した.慢性関節リウマチ(RA)の疾患活動性は4項目法によるランスバリーの活動性指数(AI)で評価した. DTT未処理IgG RFの変動の68.4%がAIの変動と一致した(p<0.05). 1例を除く17例においてDTT処理IgG RFの変動の73.5%がAIの変動と一致し(p<0.01) DTT未処理IgG RFに比べ一致率は増加した. DTT処理後もIgG RF陽性であったseropositive RAおよびseronegative RA血清をゲル濾過後,各画分のDTT処理前後のIgM RF, IgG RF活性を測定し, RFの存在様式を検討したところ, IgG RFはmonomerとして存在するほか,主にtetramer以下の複合物として存在し,さらにこれらの一部はIgM RFと結合しIgM以上の高分子として存在すると推定された.また, IgG RF活性がDTT処理後消失したseropositive RA血清の同様な検討より, IgM RFに結合したnon-RF IgGも高分子量のIgG RF活性として測定されると推定され, DTT処理はその活性を完全に消失させた.以上の結果からDTTは主にnon-RF IgGを結合したIgM RF活性を消失させ, IgG RF陽性血清のIgG RF活性を低下させることにより, IgG RF偽陽性血清を低下させることに有用と考えられた.しかし, DTT処理前後のIgG RFとAIの変動の一致率に有意差はなく, RAの疾患活動性をみるうえでDTT処理は必ずしも必要ないと考えられた.
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