ネオマイシンリン酸転移酵素(neo)遺伝子を導入した胚性幹細胞(F1/1)のキメラ形成能の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,非129系マウス胚に由来するES細胞(F1/1)がトランスジェニック動物作製に応用可能かを検討する目的で,F1/1細胞にネオマイシンリン酸転移酵素(neo)遺伝子を導入して,得られたネオマイシン耐性ES細胞のキメラ形成能を調べた.<BR>減衰パルス発生装置と矩形パルス発生装置を用いたエレクトロポーション法によってF1/1細胞にneo遺伝子を導入したが,ネオマイシン耐性コロニーの出現頻度に有意差は認められなかった.得られたネオマイシン耐性ES細胞株のゲノムDNAを抽出してサザンプロットハイブリダイゼーションを行った結果,2株はバンドが検出されず,継代培養の過程で欠失したものと考えられた.他の4株では,neo遺伝子の挿入が確認された.また,それらの染色体分析を行ったところ,正常核型を示す細胞の割合は4株では元株と同程度の正常性を維持していたが,他の2株は有意に低下した.キメラマウスの作製を行った結果,作製に供した4株はいずれもキメラ形成能を維持していることが判明したが,矩形パルス発生装置を用いたネオマイシン耐性ES細胞の場合,産子生産率が低い傾向が見られた、以上の結果から,F1/1細胞は外来遺伝子の導入操作後もキメラ形成能を維持することが判明し,実際にトランスジェニックマウスの作製に応用可能と考えられた.
著者
-
岡崎 正幸
日本全薬工業
-
林 司
日本全薬工業
-
徳永 智之
独立行政法人農業生物資源研究所
-
須藤 忠
日本全薬工業株式会社中央研究所
-
徳永 智之
日本全薬工業
-
古沢 軌
日本全薬工業株式会社中央研究所
-
徳永 智之
日本全薬工業株式会社•中央研究所
-
岡崎 正幸
日本全薬工業株式会社•中央研究所
-
古沢 軌
日本全薬工業株式会社•中央研究所
-
林 司
日本全薬工業株式会社•中央研究所
-
須藤 忠
日本全薬工業株式会社•中央研究所
関連論文
- 猫白血球由来5アミノ酸残基欠失肝細胞増殖因子cDNAの単離および発現
- マウスのActinobacillus pleuropneumoniae感染に対する血清型特異モノクローナル抗体の受身免疫効果
- 体細胞クローン技術を応用した遺伝子組換えヤギの作出技術の開発
- 前核除去あるいは核膜除去によるマウス雌性発生卵の作出と培養ならびに移植試験
- ウサギ胚盤胞由来多能性細胞株の樹立
- ウサギ胚盤胞由来多能性細胞株の樹立
- ネオマイシンリン酸転移酵素遺伝子導入ES細胞キメラマウスの交配試験ならびに子孫の遺伝子解析
- ネオマイシンリン酸転移酵素(neo)遺伝子を導入した胚性幹細胞(F1/1)のキメラ形成能の検討
- ネオマイシンリン酸転移酵素遺伝子導入ES細胞キメラマウスの交配試験ならびに子孫の遺伝子解析
- 体外成熟ブタ卵子の単為発生誘起条件と細胞質の電気融合条件
- ウサギにおける除核未受精卵への8〜16細胞期胚の核移植
- ウシ胚由来多能性幹細胞に関する研究の状況
- 胚性幹細胞を用いたトランスジェニックマウスの作出:A群色素性乾皮症原因遺伝子をモデルとして