上喉頭神経内枝の再生
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
研究目的:この研究は犬の上喉頭神経内枝を切断し,その直後に神経鞘縫合を施したに,この神経の再生するまでの期間および再生の状態を知るために行われた.実験方法:喉頭の反射経路を利用した2つの方法が用いられた,1つは主としてこの神経が再生するまでの期間を知るために喉頭や喉頭蓋粘膜の刺激によつて生ずる声帯や軟口蓋の反射的な動きを直接観察する方法であり,も51つは主としてその再生の状態を知るためにこの神経の刺激によつて生じる内喉頭筋からの誘発波を観察する方法である.さらに上喉頭神経内枝を切断し,その末梢側に頻回刺激を与えた場合の気管粘膜からの分泌量が測定され,正常神経および再生神経が刺激された場合がそれぞれ比較された.なお,この研究ごには5匹の犬の両側における10神経が捌いられた.実験結果:1)粘膜えの可能なかぎりの神経再支配が完了するまでの期間は平均79日であつた.2)再生神経刺激によつて生じる内喉頭筋からの誘発波は神経切断穂のそれと比較して,閥値,潜時,波形にかなりの差異を認めた.3)再生神経に頻回刺激を与えても気管粘膜からの分泌の増加は全くみられなかつた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
著者
関連論文
- 末梢性顔面神経麻痺に対する誘発筋電図検査法の応用
- 顔面神経の実験的外傷に対する抵抗力と再生力
- 神経障害の程度よりみた末梢性顔面神経麻痺回復の条件
- 喉頭における誘発筋電図検査
- 末梢性顔面神経麻痺の予後判定に対する誘発筋電図検査法の評価
- 上喉頭神経内枝の再生後における病理組織所見
- 反回神経再生後の内喉頭筋の機能
- 上喉頭神経内枝の再生
- 誘発反応波形からみた突発性難聴と末梢性顔面神経麻痺
- 日耳鼻両側性末梢性顔面神経麻痺の症例
- 家兎顔面神経再生に伴なう筋収縮力の回復