上顎洞癌の治療(北里方式)に用いた術前8Gy照射による間質反応の変化と予後
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概要
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上顎洞癌の治療である北里方式で治療した症例の予後の判定としてリンパ球を主とした小円形細胞浸潤の間質反応の程度を検討し,術前照射8Gyの間質反応に与える影響からその重要性を述べた.(対象)1976年から2002年までに本法で治療した74症例のうち,(1)術前照射前に組織標本の得られた17例と(2)5年生存例および特定原因死亡例を含む40例である.(方法)(1)評価基準に従った間質反応の変化を術前後の比較で各症例の予後を示した.(2)間質反応の程度と予後を統計学的に検討した.(結果)(1)8Gy照射で間質反応の基準が増強した症例,術前2+の評価を術後も維持できた症例,共に良好な経過を認めた.(2)手術標本で2+の評価を示した症例に5年生存例を有意に多く認めた.(結論)北里方式は,QOLを満たす有効的治療法で,使用する少量の放射線量,化学療法剤量いずれも腫瘍に対するBiological response modifiersと考えられた.ただし手術は肉眼的に腫瘍が認められなくなるまで摘出し,細胞レベルで癌が残存したとしても残存癌細胞の増殖力より,温存した組織中の腫瘍抵抗性が勝るという状態にすることが重要である.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
- 2004-02-20
著者
-
岡本 牧人
北里大学耳鼻咽喉科学教室
-
上條 貴裕
北里大学耳鼻咽喉科
-
八尾 和雄
神奈川歯科大学医科学系耳鼻咽喉科学講座
-
八尾 和雄
Department Of Otorhinolaryngology Kanagawa Dental College
-
中山 明仁
北里大学医学部耳鼻咽喉科
-
中山 明仁
北里大学医学部附属病院 薬剤部
-
上條 貴裕
北里大学医学部耳鼻咽喉科
-
八尾 和雄
北里大学耳鼻咽喉科学教室
-
中山 明仁
北里大学耳鼻咽喉科学教室
-
橋本 大門
国立病院機構相模原病院耳鼻科
-
橋本 大門
北里大学耳鼻咽喉科学教室
-
橋本 大門
北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室
-
竹田 昌彦
北里大学耳鼻咽喉科
-
竹田 昌弘
国立横浜病院耳鼻咽喉科
-
竹田 昌彦
北里大学医学部耳鼻咽喉科
-
竹田 昌彦
北里大学医学部附属病院 薬剤部
-
橋本 大門
北里大学耳鼻咽喉科
-
正来 昌彦
北里大学耳鼻咽喉科
-
中山 明仁
北里大学耳鼻咽喉科
-
岡本 牧人
北里大学耳鼻咽喉科
-
八尾 和雄
北里大学耳鼻咽喉科
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