大腸癌スクリーニング法としての便潜血反応に関する研究
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概要
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大腸癌のスクリーニングにおける便潜血反応の意義を明らかにするために,診断確定した外来患者を対象として無制限食下に,便潜血反応―ヘモカルトII法,ヘマテスト1回法,フェカツインS・EIA法―を施行し偽陰性例および偽陽性例がどの程度出現するかを検討した.ヘモカルトII法では大腸進行癌で93%が陽性で,消化管に出血源の認めない過敏腸症等では19.2%でありこの程度の偽陽性率の出現が推定された.ヘマテスト1回法では大腸進行癌では72%が陽性であったが,過敏腸症等でも44.6%であった.フェカEIA法では大腸進行癌6例中6例で陽性を示し,過敏腸症等では5%で陽性であった.しかし本法の第一段階であるツインS法では後者の群において37.3%の陽性率であった.感度,特異度,陽性反応適中度および価格,処理能力等を考慮すると,大腸癌のスクリーニングにあたっては現時点ではヘモカルトII法がもっとも有用と考えられる.
著者
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鵜浦 章
国立仙台病院
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佐藤 恒明
国立仙台病院
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遠藤 克博
国立仙台病院 消化器科
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渡辺 晃
国立仙台病院
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佐藤 恒明
国立仙台病院消化器科
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大方 高志
国立仙台病院消化器科
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鵜浦 章
国立仙台病院消化器科
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