大腸脂肪腫の2例
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概要
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大腸の脂肪腫は比較的稀な疾患で本邦の報告例は30例にすぎない.筆者らは最近2例の切除例を経験したので報告する.症例1.75歳男,腹部膨満感と便秘で入院.注腸造影でS状結腸に境界鮮明な球状無茎性の腫瘤陰影があり,表面平滑で良性腫瘍と診断した.内視鏡的に隆起表面は帯黄赤色で平滑であり,粘膜下腫瘍と診断した.摘出標本では,13.0×3.5×3.0cmの無茎性半球状め腫瘤で粘膜面に潰瘍1誘なく,-割面は黄色で組織学的には脂肪腫と診断した.症例2,56歳,女,左下腹部痛で大院した.注腸造彪で下行結腸に無茎性半球状の境界明瞭な腫瘤陰影を認め,その表面は平滑で潰瘍は認めない.内視鏡的に腫瘤表面はほぼ正常の粘膜で被われ,腫瘤の中央部に浅い潰瘍とびらんを認めた.内視鏡的には粘膜下腫瘍と診断し平滑筋腫を考えたが,生検組織では質診断はできなかった.摘出標本では腸管腔内に,無茎性半球状の腫瘤があり,中央部の粘膜面に浅い潰瘍と周辺のびらんを認めた.組織学的には筋層間に発育した脂肪腫で悪性所見は認められない.以上2例の大腸脂肪腫の手術例を報告し,術前診断と手術適応について考察を加えた.
著者
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田中 弘道
鳥取大学医学部第2内科学教室
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Noda R.
Department of Veterinary Science, College of Agriculture
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岡本 英樹
鳥取大学医学部第2内科
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古城 治彦
鳥取大学医学部第2内科
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Tateishi A.
Department of Internal Medicine, Sanin-Rosai Hospital
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田中 弘道
鳥取大学医学部第2内科
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