脊髄後根反射電位に及ぼすBenzodiazepine誘導体の作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
脊髄ネコ標本の後根反射電位(DRR)を指標として,12のbenzodiazepine誘導体の作用機序を検討した.diazepam,chlordiazepoxide,bromazepam,Hurazepam,Inedazepam,nitrazepam,oxazepam,oxazolazepam,lorazepam,prazepam,estazolam,triazolamの十二指腸内投与により,DRRは著しく増大し,シナプス前抑制も著しく増強された.semicarbazide投与によるglutamic acid decarboxylase(GAD)阻害によりDRRは著しく減少し,この状態ではdiazepamのDRR増大効果やシナプス前抑制の増強効果は消失した.本消失はpyridoxineの投与により回復し,diazepamのDRR増大効果およびシナプス前抑制の増強は再び出現した.aminooxyacetic acid(AOAA)の投与によるGABA-transaminase(GABA-T)阻害後は,diazepamによるDRR増大効果とシナプス前抑制の増強効果は著しく増強された.介在ニューロンが破壊され,脊髄内GABA量の減少が示唆されている虚血性脊髄性固縮(村山型)ネコでは,diazepamの効果はみられなかった。以上の結果より,benzodiazcpine誘導体の作用機序としてGABA受容体の感受性の亢進,あるいは脊髄内介在ニューロン終末よりのGABA遊離促進等が考えられる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
関連論文
- 抗不整脈薬のK^+ チャネル遮断作用とその電気生理学的意義
- 25. ネコ脊髄虚血におけるNitric Oxideの役割(第912回千葉医学会整形外科例会)
- 23. ネコ脊髄虚血後の脊髄反射活動電位の回復に対するK^+チャンネル開口薬の作用(第931回千葉医学会整形外科例会)
- 1. 脊髄後根における脊髄・延髄・脊髄反射の抑制機構に関する生理・薬理学的研究(昭和59年度猪之鼻奨学会研究補助金による研究報告書)
- 脊髄反射活動電位に及ぼすprazepamの効果の検討
- Lorazepamの脊髄作用
- ネコの脊髄反射活動電位におよぼすmephenesinおよびmethocarbamolの作用
- ウサギ孤束核注入によるアドレナリン作動性薬物の圧受容器反射におよぼす影響
- ウサギ脳波におよぼすニューキノロン抗菌薬と非ステロイド系抗炎症薬併用の効果
- 脊髄後根反射電位に及ぼすBenzodiazepine誘導体の作用
- ニューキノロン抗菌薬エノキサシンと非ステロイド系抗炎症薬フェンブフェンとの併用による痙攣に対する薬物の効果
- マウスにおけるニューキノロン抗菌薬と非ステロイド系抗炎症薬併用による中枢興奮作用
- Tolperisone hydrochlorideの神経薬理学的研究