薬物依存に関する薬理学的研究(III) 主な中枢神経作用薬および新しい睡眠導入剤 1H-1,2,4-triazolyl benzophenone誘導体 450191-Sのラットによる静脈内自発的摂取を中心に
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概要
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精神依存能を有する主な中枢神経作用薬を対象にラットによる静脈内自発的摂取法を確立し,本方法を用いて筋弛緩作用の弱い新しい睡眠導入剤1H-1,2,4-triazolyl benzophenone誘導体450191-Sの薬物依存能を調べた.1)methamphetamine 0.25〜1mg/kg/infusionに対して24例中20例のラットは昼夜を問わず30〜60分間隔で自発的摂取を行い,定率を増加するとレバー押しは著しく強化された.うち15例は大量摂取により死亡した.cocaine 1.2mg/kg/infusionにおいてもほぼ15分間隔で連続摂取が行われ強化効果が認められた,両薬物の自発的摂取パタンの特徴は摂取期と休息期が周期的に現れることでビークルに置換するとオペラントレベルは著しく増加した後速やかに消去された。2)morphine 0.1〜5mg/kg/infusionでは20例中13例のラットが対照より高いオペラントレペルで自発的摂i取を行い少数例に強化効果が認められた.一日の摂取量は用量に依存して増加したがその摂取パタンには周期性がなかった.3)Pentazodne 1〜2mg/kg/infusionでは12例中10例が自発的摂取を行いうち4例に強化効果が認められた.4)phcnobarbital 0.5〜2mg/kg/infusionでは8例中4例,diazepam 0.5〜1mg/kg/infusionでは22例中14例のラットが夜間優位の自発的摂取を行いdiazepamの3例では定率を増やすとレバー押しが著しく強化された.ビークルに置換しても両薬物とも容易に消去作用は現れなかった.このようにラットは主な中枢神経作用薬を積極的に静脈内に自発的摂取を行ったが,その摂取様式は薬物により異った.5)ラットに450191-Sを8週間経口投与した後突然休薬を行うとdiazepam,nitrazepamと同程度に軽度の体重減少,中等度の摂餌量の減少があり,diazepamとの間に交差依存性が成立したので450191-Sにはトランキライザー型の身体依存能のあることが示唆された.一方,静脈内自発的摂取法では11例中2例のラットが450191-S 0.5〜2.5mg/kg/infusionを摂取したが,その程度はdiazepamのそれより著しく弱かったので精神依存能は低い化合物と推定された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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井上 譲
塩野義製薬株式会社
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吉村 弘二
塩野義製薬株式会社
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堀内 裕一
塩野義製薬株式会社
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山本 研一
塩野義製薬研究所
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堀内 裕一
塩野義製薬(株)・新薬研究所
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井上 譲
塩野義製薬(株)研究所神経薬理学部門
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山本 研一
塩野義製薬(株)研究所神経薬理学部門
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吉村 弘二
塩野義製薬(株)研究所神経薬理学部門
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吉村 弘二
塩野義製薬 (株) 研究所薬理学部門
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