ラット幽門結紮潰瘍に対するFM-100と数種抗潰瘍薬の併用効果
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概要
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幽門結紮ラットを用いて,潰瘍および胃液分泌に対するFM-100とcimetidine,pirenzepineおよびショ糖硫酸エステルアルミニウム塩の併用効果を調べた.潰瘍の数量化は実測面積xを1n(1+2x)で変換し,それを基に0〜5の6段階に係数化して行なった。上記4薬物はすべて単独で用量依存的な抗潰瘍作用を示した.FM-100およびpirenzepineは高用量で軽度に胃液pHを上昇させたが,pepsin活性に対してはほとんど影響を与えなかった.すなわち,胃液の組成をほとんど変化させることなく分泌量を抑制した.cimetidineの胃液分泌抑制作用は著明な胃液pHの上昇を特徴とした.ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩は,抗潰瘍作用を発現する用量で軽度な制酸効果を示したが,分泌量およびpepsin活性には全く影響を与えなかった.FM-100と他薬剤の併用では,いずれの薬剤単独よりも抗潰瘍作用の増強が,すなわち協力作用が認められた.FM-100とcimetidineあるいはpirenzepineとの併用では,胃液分泌抑制作用にも協力が認められた.以上の結果は,FM-100と上記薬剤の併用により,抗潰瘍作用の増強と,一方では副作用の減弱が臨床的にも期待できることを示唆している.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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