ラット血清ガストリン値に対するFM-100とCimetidineの単独および併用効果
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概要
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幽門結紮ラットの血清ガストリン動態に及ぼすFM-100(800mg/kg,i.d.)とcimetidine(400mg/kg,i.d.)の単独および併用投与の影響を調べた.緩衝液の胃内注入により胃内pHを制御した条件下では,胃内pHと血清ガストリン濃度との間に高度の正の相関が認められた.FM-100は,胃内の状態が強酸性あるいは弱酸性の如何にかかわらず血清ガストリン濃度を低下させた.cimetidine投与後の血清ガストリン濃度の変動は,強酸性および弱酸性のいずれの条件下においても対照の範囲に収まるものであった.FM-100とcimetidineの併用投与では,血清ガストリン濃度は強酸性下と弱酸性下のいずれの場合にもcimetidine単独と比較して低値であり,特に弱酸性の条件下ではFM400単独投与群との比較では高値であるが,cimetidine単独投与群との比較では有意に低値であった.以上,FM-100のガストリン遊離抑制作用は胃内pHには無関係であること,cimetidine投.与後の血清ガストリン濃度の上昇は胃内pH上昇に伴う二次的現象と思われること,さらに,機序は明らかではないがcimetidine投与後の血清ガストリン濃度の上昇がFM-100によって抑制されること等が幽門結紮ラットで確認された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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中村 敬太
日本化薬株式会社総合研究所薬理研究室
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小沢 義人
日本化薬株式会社総合研究所薬理研究室
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須永 弘子
日本化薬株式会社総合研究所薬理研究室
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大井 至
日本化薬株式会社総合研究所
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中村 敬太
日本化薬株式会社総合研究所
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小沢 義人
日本化薬株式会社総合研究所
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須永 弘子
日本化薬株式会社総合研究所
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