ヒ素による体温下降と脳内モノアミンとの関連に関する研究(第2報) ―NoradrenalineとDopamineの役割について―
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概要
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すでに,著者らはAs<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB> 3mg/kgの静脈注射によりひき起こされるウサギの体温下降が,視床下部内noradrenaline(NA)量の減少に基づくものであることを報告している.そこで本論文ではAs<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>によって生ずる体温下降においてNAだけでなくdopamine(DA)も関与しているか:否かを調べる為に,dopamine-β-hydroxylase阻害剤のFLA-63,α-receptor遮断薬のphenoxybenzamineとdibenamine,DA-receptor遮断薬のhaloperidolとpimozideを用いて体温測定を行ない検討した.その結果,1)FLA-63 40mg/kg投与により,NAを減少させDAを増加させた状態ではAs<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB> 3mg/kgによる体温下降は抑制されなかった.2)phenoxybenzamine 20mg/kg,あるいはdibenamine 20mg/kgの投与によりAs<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>による体温下降は抑制された.3)DA-receptor遮断薬であるhaloperidol 5mg/kgあるいはpimozide 2mg/kg投与ではAs<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>による体温下降は抑制されなかった.これらのことから,ウサギ脳内DAおよびDA-receptorはAs<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>による体温下降に関与していないと考えられる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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