Urokinase冠動脈内投与の生体内動態および循環器系に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
麻酔開胸犬におけるurokinase冠動脈内投与の生体内動態および循環器系に及ぼす影響ならびにモルモット摘出心臓への影響について検討した.<SUP>125</SUP>I-urokinase20,000IU/kg冠動脈内投与の生体内動態においては,血漿中濃度の消失は2相性を示し,その消失半減期は6.8分および4.4時間であった.また投与4時間後の血漿中TCA不溶性放射能の存在比は32%と少なく,尿中の総放射能(投与量の4.70%)に占めるTCA不溶性放射能の存在比も0.31%の低値であったことから,大部分が低分子に代謝されていると考えられた.循環動態において,urokinase冠動脈内投与後urokinaseの線維素溶解作用により開胸手術創からの出血に基づくと考えられる心機能の低下が観察されたが,2,000,000IU/kg(治療量の約100倍相当)を最高投与量としたurokinaseの循環器系への直接作用はほとんどないと思われた.このことは,モルモット摘出心臓において,urokinase(10,000〜1,000,000IU/heart)が心収縮力,心拍数および冠灌流量に対して影響を及ぼさなかったことからも支持された.以上の結果より,urokinaseの冠動脈内投与時の生体内動態は静脈内投与時のそれと本質的に差がなく,また冠動脈内投与による循環器系への直接的な影響はほとんどないことが確認された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
舩戸 秀幸
持田製薬(株)富士中央研究所
-
溝田 雅洋
持田製薬(株)富士中央研究所
-
石黒 淳三
持田製薬(株)富士中央研究所
-
栢本 美沙江
持田製薬(株)富士中央研究所
-
佐藤 正巳
持田製薬(株)安全性研究所
-
石黒 淳三
Fuji Central Research Laboratory Mochida Pharmaceutical Co. Ltd.
-
山崎 眞利
持田製薬(株)富士中央研究所
-
中嶌 裕之
持田製薬(株)富土中央研究所
-
舩戸 秀幸
持田製薬(株)富土中央研究所
-
石黒 淳三
持田製薬(株)富土中央研究所
-
佐藤 正巳
持田製薬(株)富土中央研究所
-
栢本 美沙江
持田製薬(株)富土中央研究所
-
山崎 眞利
持田製薬(株)富土中央研究所
-
溝田 雅洋
持田製薬(株)富土中央研究所
関連論文
- Metabolism of Ethyl Eicosapentaenoate (EPA-E) in Rats and Effect of Its Metabolites on Ellagic Acid-Induced Thrombus Formation in the Stenosed Femoral Artery of Rabbits
- 新規ジヒドロピリジン誘導体,ラシジピンの脳虚血モデルに対する効果
- エイコサペンタエン酸エチル(EPA-E)とその代謝物の肝薬物代謝酵素系及び脂肪酸代謝酵素系へ及ぼす影響
- エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA-E)の家兎血栓形成抑制作用およびラット末梢壊疽抑制作用
- エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA-E)の高コレステロール食飼育家兎における薬理学的研究
- 新抗うつ薬,MO-8282の薬理学的性質(第2報)
- 持田製薬(株) 総合研究所
- 高コレステロール食飼育ウサギにおける動脈壁弾性と血管内皮依存性弛緩反応およびethyl all-cis-5,8,11,14,17-icosapentaenoate(EPA-E)の影響
- ヒト天然型Tumor necrosis factor(MHR-24)の一般薬理作用
- 5,8,11,14,17-Eicosapentaenoic acid ethyl ester(EPA-E)の一般薬理作用
- Trapidilの薬理作用について ―各種冠拡張剤との比較を中心として―
- Sodium 5-hydroxydecanoateの実験的虚血性心室性不整脈への効果とその作用機序に関する検討
- Urokinase冠動脈内投与の生体内動態および循環器系に及ぼす影響