新しい睡眠導入剤1H,1,2,4-Triazolyl benzophenone 誘導体450191-Sの薬理(VI) : ―HPLC-EIAによるサル血漿中代謝物の測定―
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概要
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睡眠導入作用の評価において,アカゲザルはヒトの良いモデルとされている.新しい睡眠導入剤450191-Sを薬効量(1 mg/kg)で老齢アカゲザル2頭および若齢アカゲザル3頭に経口投与し,各時間における活性代謝物の血漿中濃度を測定した.M-1は測定代謝物中最小の血漿中濃度曲線下面積(AUC)を示した.M-2のAUCは老齢アカゲザルにおいて若齢アカゲザルの約10倍高い値を示した.M-AのAUCは測定代謝物中2番目に大きな値を示し,また,老齢アカゲザルのそれは若齢アカゲザルに比べ約4倍高かった.M-3のAUCは測定代謝物中最大値を示し,投与後12〜16時間で最高濃度に達した後,半減期約12時間で徐々に消失した.M-4は投与後24時間まで少量ずつ一定して認められ,以後消失した.450191-Sはアミノペプチダーゼにより脱グリシル化されM-1となり吸収されると言われている.若齢アカゲザル2頭にM-1を0.73 mg/kg(450191-Sと等モル量)で経口投与し,活性代謝物の血漿中濃度の経時変化を,若齢アカゲザルに450191-Sを投与した場合と比較した.M-1投与にもかかわらず,M-1の血漿中濃度は極めて低く,そのAUCは測定代謝物中最小値を示し,また,450191-Sを投与した時の約1/6であった.M-2の血漿中濃度も著しく低く,そのAUCは45019-Sを投与した時の約1/3であった.M-A,M-3およびM-4の血漿中濃度およびAUCは450191-Sを投与した場合と大差なかった.以上の結果から,アカゲザルに450191-Sを経口投与した場合,M-2とM-Aの血漿中濃度に著しい年齢差のある事が明らかとなった.また,M-1を投与した場合,450191-S投与に比べM-1およびM-2の血漿中濃度が極めて低く,両化合物間に著しい違いが認められた.
著者
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